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塩島 敏明

”GO WEST!” 2000年 4月 2日

☆☆☆ 舟参宮 お伊勢参り 1日目 ☆☆☆ 

 --- グリーンランドパドル試し漕ぎ ---

きっかけは・・・メーリングリスト(MLと呼ばれる)でのメールのやり取りからであった。

2000年と言えば、カメラ付き携帯がやっと登場した頃で・・まだパソコン通信の時代、当時の情報交換はMLが盛んであった。そんなある日・・ロッジさらくわの瀧さんやみっちゃん、DACCの中西さんたちによる伊勢 志摩の話題を聞き及んでいるうちに、伊豆から伊勢まで漕いでみたくなった。自作のウッドパドル(グリーンランドパドル)の性能確認をする必要があるな。そうだ、白洲さんのシーカヤック視認用のポールのモニターや携帯メール端末のエクシーレを活用したモバイルも試すのにちょうど良い!長い旅というのは気力、体力、時間などがあるときに、思いきって踏み出すべきもの!「何時かそのうちに・・・」は永遠に来ないのだ。

思いつくと居てもたってもいられない性分だが、駿河湾横断の長丁場に向かい風は辛いので、気圧配置を見る。 ここだ!!風向きが変わる!と・・前夜に松崎町岩地のてるやん宅に宿泊する。はたして・・予報どおり夜には風向きが変わったのだ。

《 2000年4月2日 駿河湾を渡る  》

AM4:15 気温3℃ 予報は曇りだが、まだ漆黒の闇だ。

「これから出ます。GO WEST!」と仲間に送る。岩地の海岸から西に向けて漕ぎ出す。前日までの西風が止んで、風もナライの追い風だ。

用意したサイリュームが光らず、デッキコンパスの数字が読めない。とりあえずウネリに直角に進む。やがて明けの明星が西への保針に役立つ。1時間だけのスターナビゲーションだ。

湾流の流路情報から直線コースは取らず、湾のやや内側寄りのコースを取る。

明るくなってもまだ御前崎は目視出来ない・・が、半分を過ぎたと思われる辺りで、北東からのパルプの臭いに気づく・・見えなくても製紙工場の臭いから自分の位置を確認する

海図によると・・岩地を真西に進み駿河湾の最深部2500mを過ぎた辺りには、石花海(せのうみ)と言う100mの浅瀬があり、絶好の漁場となっているらしい

まさしく対岸が見え始めると、大井川港沖にある北堆付近では漁船が多数操業しているのが見える

そろそろ、真西に向けていた針路を南西寄りに向ける時だ

御前崎港の手前でカンムリウミスズメの群れに遭遇

12:40 御前埼の北側の砂浜に上陸

草の生えた砂地にカヤックを引き上げてキャンプする

無事到着をメーリングリストや支援してくれている友人達に送信

護岸の後ろにあった食堂で昼飯。夕食と朝食はコンビニまで歩いて調達。御前埼の海岸には、駿河湾流の海流に乗り、海藻と草木とペットボトルの漂着物が集積していた。岬の北側の広大な砂浜の大半は埋め立てられていたが、残っている砂丘のような砂浜もまだかなり広かった。

この日の湾流の渦は歯車のように縦に三つ並んでいた。南端から反時計回り、中間は時計廻り、湾奥は反時計回り。向かい潮でさえなければ良いと思っていたが、この日はまさにおあつらえ向きの追い潮だった。

この日唯一の失敗は・・

大きなオウムガイを見つけたのに、この先邪魔になるかと置いてきてしまった事だ・・(T_T)

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