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  • しおちゃん♪

”GO WEST!” 2000年4月4日

☆☆☆ 舟参宮 お伊勢参り 3日目 ☆☆☆ 

 --- グリーンランドパドル試し漕ぎ ---

≪ 2000年4月4日  遠州灘Ⅱ ≫

AM 6:15 気温7℃ 天竜川を下る

広い川幅の水面に水鳥が多数

カヤックに驚いて葦の茂から鴨の群れが飛び立つ。今日は大潮、下げの時間だった。流量の多い川の流れと海からのうねりがぶつかって激しい波が立つ

そこへ漁船が二艇、ブレイクする波に乗りながら戻ってきた。

よし、あのルートで出ていけば安全だな!すると突然、岸から怒声が飛んだ。

「おい、出るな~!大潮の下げだぞ~!!」

心配してくれた礼を述べ、帽子のつばを後向きに替えて突撃する。 せり上がった波の壁は沖まで延々と続き、一つ一つの波を乗越えるのは楽しい。が、先を急ぐので途中で進路を西向きに転針した。

7時 風は北東、旗ざおは左になびいていたが、天気は快晴だ!

8時過ぎ 単調な景色の向こうに浜名湖大橋の高架橋が見えてきた。海水の色はやや緑がかっている。アマモの切れ端が目立ちだした

10時前 浜名湖の出口を通過する。ここは潮汐流が出入りする難所だ。 下げ潮流がまだ残っていて海面は踊っている。漁をしている漁船が2艇。水路の奥には赤い鳥居が見える。

11時過ぎ 進路をやや岸寄りに変え、サーファーと言葉を交わしていると、前方からしらす漁と思われる漁船が二隻、網を引いてやって来た。先へ進もう。

12時前 沿岸道路が山の中に消えて行くと、もうじきそこは愛知県との県境だ。延々と低い丘陵が真っすぐ続き、その下に奥行きの狭いダンパーの浜。もうサーファーも居ない。人気も人工物も少ない海岸線だが、ふと見ると黄色く塗られた鉄柱の列が海中に並んでいた。岩礁地帯の浅瀬を示す標識だろうか?

13時前 風が南東に振れ強まってきた。旗ざおが右側に激しくなびく。日差しも無くなり、ウネリが壁となって立ち上がってきた。油断していると、崩れ波に呑まれる。その度に必死で沖出しして逃れる。60km・・真っ直ぐの浜はまだ続く。

GO WEST!

文字通りの怒濤と闘うこと数時間、ようやく低い丘陵の消え入る端に、赤羽根漁港の赤い港標が見えてきた。 あの港標の左側に港の入口があるはずだった。が、周りはブレイクする波に囲まれ、港の入口が見えない。疲れと恐ろしさで判断力が鈍っていたようだ。港標の手前、少しだけ波の陰になった浜にカヤックを突入してしまった。 波の高さは4メートルはあっただろう。沈もバウ沈もかろうじて遁れたが、全身白波を被ってブローチング、帽子を失った。

無上陸での9時間

時刻は15:30になっていた

日頃の弓ヶ浜での波乗りは無駄ではなかった。そうでなければ、旅はここで終わっていただろう。ほうほうのていで防波堤の下の砂浜にカヤックを引き上げ、防波堤に上がってみると、そのすぐ向こうには波静かな港の進入路があった。

「なんてこった!馬鹿、馬鹿、馬鹿!」もう少し沖から見れば入口が判ったのに!!!

漕破と言うより滑走路手前に不時着といったところだ。浜はすでに砂嵐状態である。 駆けつけてくれた豊橋の中西さんと釣り人の助けを借りてカヤックを港側に移すことが出来た。

中西さんの差し入れてくれた味噌煮込みうどんと日本酒の差し入れが有難い。

結局、この旅最大の難所は駿河湾横断でも伊良湖岬横断でもなく遠州灘の漕破であった。

この日は嵐に備えて宿に泊まる事にしたが、宿のご主人にカヤックの旅を説明するのには苦労した。

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